施設などで入浴を拒否する高齢者に直面した際は、対処方法を工夫する必要があります。入浴したくないという気持ちに寄り添うことはたいへん重要です。思いに寄り添い、否定することなくまずは共感する気持ちを持って声掛けをすることが大事です。
思いを否定し、無理やり入浴させようとすると、よけいに拒否されてしまうことが多いです。落ち着いているときを見計らい、入浴拒否する理由を聞いてみましょう。その際、責めるような口調にならないように気を付けるとよいです。入浴したいという気持ちが出るまで、焦らず気長に待つことが大事です。
入浴することは、身体を清潔に保つためにたいへん重要です。また、入浴することで、血行を促す、心身をリラックスさせる等の効果が期待できます。入浴することで得られるよい点を上手に伝えられるとよいでしょう。
入浴は、浴室へ移動する、服を脱ぐ、身体を洗って湯につかる等、多くの動作を必要とします。高齢者にとって、これらの作業が負担であることも多いです。入浴に関して面倒だと思っていることがないか、落ち着いて聞いてみるとよいです。
また、着替えの準備や寒さへの対策等、改善できることを見つけてマイナス要素を減らしていくとよいでしょう。
手浴や足浴といった簡単なものから始めてみるのも一つの方法です。身体を拭く際に、ほどよい温度の蒸しタオルを背中に当てるのもおすすめです。ゆったりとリラックスできる感覚を味わってもらうと、入浴への前向きな気持ちが出ることもあります。