メモリ

メモリの確認

Photoshopの動作を快適にするポイントの一つが「メモリ」です。メモリはPhotoshopの作業場にあたる部分です。メモリ容量が大きければ、それだけPhotoshopのパフォーマンスを快適にすることができます。ただし、お使いのPC・OSとPhotoshopのバージョンによって使用できるメモリ量が異なるので注意が必要です。以下に各環境別の表をご紹介します。

Photoshopがアクセスできるメモリ量 (Windows)

Photoshop OS 使用可能な最大メモリ量
CS4~ (32bit) Windows (32bit) 1.7 GB
CS4~ (32bit) Windows (64bit) 3.2 GB
CS4~ (64bit) Windows (64bit) PCに搭載された最大メモリ量

Photoshopがアクセスできるメモリ量 (Mac)

Photoshop OS PCに搭載可能な最大メモリ量
CS4 (32bit) Mac OS 3 GB
CS5 (32bit) Mac OS 2.1 GB
CS4~ (64bit) Mac OS PCに搭載可能な最大メモリ量

これを見ていただくと分かるかと思いますが、Photoshopが遅いと感じる要因は、そもそものメモリ量が少ないという理由以外にも、Photoshopがアクセスできるメモリ量の上限が関係している可能性があるんですね。

メモリの設定

利用できるメモリ量から、Photoshopの作業領域として使う割合を設定します。デフォルトでは60%で設定されているかと思いますが、一般的にPhotoshopオンリーな作業を行う場合は70%程度、他のアプリケーションなども利用する場合は55%程度が目安です。

設定方法は、「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」と進み、

「メモリの使用状況」の項目の「Photoshopで使用する容量」に値を入力します。もしくは、下のスライダーを動かして設定することも可能です。

HDD

Photoshopは、上記で設定したメモリ以外にも一時的な作業領域として(メモリの領域が足りなくなった時に)「ハードディスク」の領域を使うことがあります。ただ、ハードディスクはメモリと比べると転送速度が落ちてしまう=パフォーマンスが悪くなるので、できるだけ転送速度が速いハードディスクを使いたいところ。可能であれば、HDDではなく高速なSSDを使う方法がオススメです。

※一般的にはメモリ>内臓HDD>外付けHDDの順にパフォーマンスは高くなる

この、一時的な作業領域を仮想記憶ディスクといいます。仮想記憶ディスクの設定は、メモリと同様に「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」と進み、「仮想記憶ディスク」項目にリストされている中から使うものを「有効」にしてあげればOKです。

ちなみに、作業中に仮想記憶ディスクを使用しているかを確認する方法があります。確認したい場合は、作業している窓の下部にある「右向きの三角」をクリックし、「効率」を選択します。すると、窓下部に「効率:100%」のように値が表示されます(効率インジケータといいます)。この値が90%を切っていると仮想記憶ディスクを使用していることになります。

※効率インジケータの数値が90%~95%であれば、メモリを増設することで余計に仮想記憶ディスクを使用する必要がなくなる→パフォーマンスの改善に繋がる場合があります。

ヒストリー&キャッシュ

ここまででメモリ、仮想記憶ディスクの2つの作業領域について紹介をしました。ここからは、その領域で読み書きを行うデータ量の設定について書きます。

キャッシュレベル

Photoshopでは、作業で使う画像の描画速度を上げるために、裏側でイメージのキャッシュをメモリや仮想記憶ディスクに保存しています。このキャッシュには1~8までのレベルがあり、適切に設定することでパフォーマンスが改善されます。ただし、適切なレベルはPC環境や作業内容によって異なります。以下はキャッシュレベルの簡単な目安です。

高低の特徴

キャッシュレベル 特徴
低い ファイルを開くのは早いが作業応答速度は遅い
高い ファイルを開くのは遅いが作業応答速度は早い

高低の目安

キャッシュレベル 特徴
1~2 100万ピクセル(1280x1024pxほど)くらいの比較的小さいファイルと、多くのレイヤー(50レイヤー程度)を使用する場合は1から2に設定。※推奨は2
4~ 5000万ピクセルくらいの大きいファイルを使用する場合は4以上に設定。

キャッシュレベルの設定は、「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」と進み、「ヒストリー&キャッシュ」項目で行います。

キャッシュタイルサイズ

Photoshopが一度に処理するデータ量です。128K・132K・1024K・1028Kの4つから選択できます。量が大きければ処理効率は向上しますが、描画に時間が掛かります。タイルサイズの特徴と目安は以下の通りです。

大小の特徴

タイルサイズ 特徴
処理効率は低いけど再描画が早い。ブラシストロークなどの細かい変更に優れている。
処理効率は高いけど再描画が遅い。シャープなどの操作に優れている。

大小の目安

キャッシュレベル 特徴
100万ピクセル(1280x1024pxほど)くらいの比較的小さいファイルと、多くのレイヤーを使用する場合は1から2に設定。※推奨は2
5000万ピクセルくらいの大きいファイルを使用する場合は4以上に設定。

キャッシュタイルサイズの設定も、キャッシュレベルと同様に「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」と進み、「ヒストリー&キャッシュ」項目で行います。

※キャッシュタイルサイズなんですが、個人的には「128K・132K」とか「1024K・1028K」の差が分からないのですが、AdobeのPhotoshopヘルプのページを見ると、以下のような記載がありますので、こちらを参考にお使いのCPUに合わせて選択するといいと思います。

Intel「Core」プロセッサを使用している場合は、128 K または 1024 K を選択します。プロセッサが Intel Pentium 4 または AMD の場合は、132 K または 1032 K を使用することで Photoshop の効率が向上します。 出典:パフォーマンスを最適化する | Photoshop CS4、CS5、CS6、CC (Photoshopヘルプ)

「見たけどよく分からないや。」という人は、対象ドキュメントの項目にある「小さくて複雑」「初期設定」「大きくて平坦」のいずれかを選択すれば、自身のPC環境を考慮したサイズ(キャッシュレベル&キャッシュタイルサイズ)が選ばれるので、それでもいいかもしれませんね。

ヒストリー数

Photoshopは、行った作業をアンドゥ(ctrl+alt+z)で戻すことが出来ます。いわゆる作業履歴ですね。便利な機能なんですが、大きな作業の履歴を残すことはそれだけ多くのメモリを消費する要因となります。

デフォルトは20です(最大で1000)。私はデザインや工程に悩んだ時にアンドゥで戻すことも多いし、作業履歴を遡れることのメリットを感じるので20のままですが、自身の最適な値に設定しましょう。

ヒストリーの設定も、キャッシュレベルやタイルサイズと同様に「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」と進み、「ヒストリー&キャッシュ」項目で行います。

GPU設定

ここまでで、Photoshopの作業領域の設定・読み書き量の設定について紹介しました。ここでは、画像の描画処理や出力についての設定について書きます。

GPU設定

Photoshopで以外と貴重なのがOpenGLという存在。設定項目は、これまでの設定と同様に「編集」→「環境設定」→「パフォーマンス」と進んだ場所にあります。「GPU設定」という項目がそれです。

この項目、「拡大/縮小」とか「フリップ(space+クリックで動かすやつ)」とか、ドップリとPhotoshopの描画操作に関係している個所です。OpenGLが有効になっていないと、フリップが使えない、拡大縮小が段階的になる、などの症状が発生します。なので、OpenGLを有効にしている人はそのままでいいと思うんですが、「詳細設定」へ進むとモードが選択できます。

少しでもパフォーマンスを改善させたいのであれば、このモードの部分を「基本」へ変更し、OpenGLの基本機能だけを使用する設定に変更します。私は標準のまま利用しています。

さいごに

ここで紹介した改善方法は、基本的な設定項目になります。次回以降、Photoshopのパフォーマンスを落とさない利用法や、今回は紹介しなかった設定方法についても書いてみたいと思います。

参考リンク